カインの妻はどこから来たか

【問13】「カインはその妻を知った」と創世記4章にありますが、最初の人アダムの長男である彼は、いったいどこで、妻を見つけたのですか?

聖書を初めて読めば、誰もがぶつかる素朴な疑問です。結婚相手になるような女性はいないはずです。人類最初の家族なのですから。
「神は他にも人間を創られたのだ。アダムはその創造された人類の代表的、象徴的存在だ」という説明を聞かされたことがありますが、聖書にはそんなことは記されてはいませんし、ローマ人への手紙5章12節の「一人の人によって罪がこの世に入った」という記事に反することにもなります。
聖書から考えられる唯一の説明は、《カインはアダムの娘、つまり自分の妹あるいは姪と結婚した》というものです。
その根拠は以下の通りです・・・

?アダムは、カインの弟であるセツを生んで後、「800年生き、息子、娘たちを生んだ」(創世記5章4節)とあります。したがって、自分の妹や姪と結婚することは不可能ではありません。

?アダムとエバは、「生めよ、増えよ、地に満ちよ」(創世記1章28節)という命令と祝福を神から受けていますから、彼らが800年の間にもうけた子の数は相当なものであったにちがいありません。

?カインがいつ妻を得たかは、聖書には記されていません。この時代の人々の平均寿命が900年以上でしたから、彼の妹あるいは姪が成人するのを待って結婚したと考えてもおかしくはありません。

このように地上には、壮年のカインが妻の対象にできる女性が沢山いたのです。
そこで生じるのが近親結婚の問題です。兄弟姉妹で結婚することは、遺伝病の発生度が比較的高く、危険だといわれます。あるいは聖書も、近親結婚は禁じているではないか(レビ記18章)と疑いをさしはさむこともできましょう。しかし、カインの時代、少なくともノア以前は、近親結婚は許されていたと、聖書からは察せられます。
というのは・・・

?血縁者同士で結婚しないなら、当然のことながら、人類は滅びてしまいます。それは「生めよ。増えよ。」と命じられた神の望まれることではありません。

?聖書で初めて近親結婚が問題にされるのはアブラハムの時代であり、聖書ではっきり禁じられるのは、それからさらに4、500年後のモーセの時代です。(レビ記18章、20章17節)

?ノアの洪水以前は、地球はおそらく厚い雲(「大空の上にある水」創世記1章7節)に覆われ、自然環境はほぼ完全だったと考えられます。ですから、人々は数百年もの寿命を享受できたのでしょう。

近親結婚を繰り返していれば、人類は滅びたにちがいないと考える人もいますが、近親結婚のために、遺伝病に悩まされていたと思われるふしがどこにもありません。当時は近親結婚も安全だったのです。
遺伝病は、異常を引き起こす劣性遺伝子を親から受け継いだ子供同士が結婚した時、生まれる子にやや高い確率で生じるとされます。しかし、神は人を神のかたちに造られたのですから、人類はその異常な遺伝子を、創造された時からもっていたわけではありません。何百代もの世代を経て、外部から受ける様々な悪影響の中で、突然変異によって生じたものです(突然変異はたいてい劣勢で悪質)。
しかし、ノアの洪水以前の地球は、突然変異の原因になりうる宇宙線は厚い雲に遮られ、環境もほぼ完全でしたから、遺伝子も変化から守られていたと考えられます。近親結婚しても、遺伝病の心配はまずなかったのでしょう(近親結婚は、親子の近親相関とは異なることに注意)。