悲しみと憐れみの力

今回の地震と津波被害に対する世界からの支援は130国を超えたとのこと。被災地にとっても、日本全体にとっても、本当にありがたいことであり、大きな励ましでした。

130国ということは、貧しい国々からも助けていただいたことになります。アメリカなど大きな援助をしてくれた国々も、規模は小さくても精一杯支援してくれた国々もありました。窮地にある者を助けるとは、必ずしも余裕があってすることではないのですね。

反日感情の強い国々からの援助も嬉しいことでした。中国、韓国からも人的支援や義捐金がきました。韓国は、震災後、教科書問題で日本と軋轢が生じましたが、それでも日本への義捐金の勢いは弱まりませんでした。もう一つの植民地であった台湾からも、驚くほどの援助が寄せられました。韓国や中国でも、反日感情の発言もありましたが、それぞれの国内で批判されたようです。あまりにも大きな悲しみは、『惻隠の情』(憐れみの心)を生み、他の感情を抑え込むのでしょう。

また、BFPからこんな報告も届いています。「石巻では、イスラエルとイランのチームが鉢合わせとなり、一瞬緊張が走りましたが、普段の国同士の関係からは想像もつかないような、手を取り合い人間同士の交流を図る姿を見ることができました。このような大惨事を前に国同士が敵であったとしても、協力してそれぞれの任務に当たるのであればなおさら、教会同士が一致して任務に当たる必要がある・・・」(ハイメール0406)。敵対している国同士でも、被災地では協力できるのです。キリスト者ボランティアも、教団教派を越えた協力体制ができているそうです。

「愛は多くの罪をおおう」(Ⅰペテ 4・8)ものならば、当然、愛は多くの違いも克服できます。私たちの目の前には、このままでは滅んでしまう魂があふれています。その方々への悲しみと憐れみの心があれば、クリスチャンはもっと協力できるはずです。滅ぶ魂を凝視すれば、悲しみ憐れむ心は湧きあがってくると思います。