馴染んだ視点から離れて見る

私たちは、西のアジア大陸を左に、東の太平洋を右にした世界地図に馴染んでいますが、アジア大陸を上に、太平洋を下にしてみると、また違った地理関係が見えてきます。日本、ロシア、韓国、北朝鮮、中国が、日本海を内海して取り巻いています。かつて裏日本と呼ばれた日本海側の都道府県が表側になり、東京は裏側になってしまいます。
 地方に住む友人が言いました。「東京の人間は、日本の中心は東京だと思って日本を見ている。しかし、私たちの目は東京に向いていない。地方空港からインチョン空港に飛べば、東京を経由せずとも世界につながっているからだ。」
また、たとえば沖縄を中心にして地図を見ると、九州、韓国、中国の沿岸諸都市、台湾、フィリピンと非常に近いことがわかります。沖縄は観光、貿易の中継ぎの拠点など、さまざまな可能性が開けているのです。
 私たちの人生も、ちょっと大胆に視点を変えて考えてみるのはいいことです。違った景色や人生の展望が見えてきます。
病院で人々の死を取り扱っている病理学の医師は、「死から人生を見つめなおす」ことを勧めています。今、本当にすべきことが見えてくるからです。死からでなくても、5年後、10年後、20年後から、今の自分を見直すこともいいでしょう。私たちは「今」に没頭しすぎかもしれません。人生自分が今一所懸命なっていることや、深刻に悩んでいることが、人生全体にどんな意味を持つだろうかと考えてみるのです。私たちは、価値や意味の小さいことにこだわって、方向を間違えたり、時間や労力を浪費していたりするものです。
一番いけないのは、世の中の流れや人間の視点に立って、自分を見ることです。主イエスが、「下がれ。サタン。あなたは神のことを思わないで、人のことを思っている」(マルコ8:33)と、ペテロを叱責されたことを忘れないようにしましょう。
 お勧めしたいのは、自分中心、お付き合い中心、社会中心、学校中心、仕事中心ではなく、もっと全面的、本格的に聖書の視点で、人生を見ることです。創造主、救い主が、一番私たちのことをご存じだからです。キリスト中心に考えると、家族、友人、社会、学校、仕事のことも、正しい位置関係に収まってきます。