日大アメフト選手は泣いた

悪質な違反タックルをして関学の選手を負傷させた日大アメフトの宮川選手の記者会見と、翌日の日大元監督、コーチの会見を、テレビで見ました。
 宮川選手は、実名と顔を全国にさらし、非を認めて関学の選手に謝罪し、責任を負うことを表明し、事実関係を語りました。一方、元監督とコーチは、宮川選手の語った事実を否定し、違反は宮川選手が指示を誤解して行ったことだとして言い逃れをしました。
宮川選手は、違反を3度繰り返して退場になったあと、事の重大さに気づき、テントの中で声を上げて泣いたそうです。私はそれを聞いてペテロを思い出しました。ペテロは、大祭司カヤパの館で主イエスを3度「知らない」と言ってしまい、外に出て激しく泣きました。選手を追い詰めた元監督、元コーチは、さしずめ大祭司や長老でしょうか。
元コーチは、テントで泣く宮川選手に、そんな弱い心だからダメなんだとなじるだけで、彼を守ろうとしませんでした。それはユダを思い出させます。祭司長や長老は、ユダに銀貨30枚でイエスを裏切らせましたが、ユダが後悔してお金を返しに来ると、「われわれの知ったことか。自分で始末することだ」と突き放しました。
日大選手の悪質タックルは、連日の報道で非難され、全国的に注目されました。そして、選手は日大指導者から見捨てられました。それで選手が個人として、テレビカメラの前に出て、関学と負傷した学生に謝罪しました。アメフト選手としての将来を失う覚悟でした。負傷した学生も、もう選手として立てないかもしれません。それを償うとも約束しました。
今、宮川選手は全国的な称賛と同情を集めています。事を曖昧にし、言い逃れをする政治家や役人や指導者を見続けてきた国民にとっては、一服の清涼剤のようです。それがいいのかはわかりません。ただ、20歳の宮川選手が、責任の取り方、謝罪の仕方を国民に見せることになったと思います。そして、すべてを失うことを覚悟すれば強くなれること、言い逃れする者を惨めにすることを示してくれました。
さて、今日の宣教メッセージは、涙で主イエスの足をぬぐった「罪深い女」と「パリサイ人シモン」の話です。