耳掻きの快感

耳を掻くのが趣味になっている人は、一日に暇さえあれば、耳に棒を突っ込んでいます。竹製の耳かきから始まって、綿棒、つまようじ、マッチ棒、果ては釘の頭を使ってまで掻く人もいます。耳の中を傷つけ、膿が出るまでになっても止められないのです。
「なぜそんなに耳を掻くんですか」「かゆいからです」「どうしてかゆくなるか、知ってますか」「はい、耳を掻くからです」「危険なことは知っていますか」「はい、でも掻く快感がたまらないのです」。自分でかゆみを作って、快感を楽しむとは、実に危険な快感です。という私も、長い間この循環にはまっていました。
耳を掻くと、かゆみ物質が分泌されるので、なおさら痒くなるのだそうです。耳垢は、外から入ってくるごみを吸収し鼓膜を守る役割があります。そして、耳垢がたまっても、自然に出ていくようになっています。しかし、わかっていても耳かきは止められません。
 タバコを吸う人も同じようです。「イライラすると吸ってしまうんですよ」「そんなにイライラするんですか」「ええ、タバコを吸えないと、イライラするんです」。
 ギャンブル中毒、アルコール、甘い物、ゲーム、スマホ中毒・・・心や体に悪いとわかっていても、止められなくなるのは、この悪循環に陥るからでしょう。
 人間は、「有害、無意味、ばかげている」とわかっていながら、なかなか止められない悲しい生き物です。私は、この悪循環を断ち切る方法を知りません。決断し、祈ったからといって、簡単には止められません。また繰り返してしまう自分が嫌になります。でも、止められた人も少なくないのです。
どうすれば止められるのか。この悪循環を抱えながら、今受けている祝福を喜び、感謝すること、そして恵みの時を待つことも信仰だと思います。
サタンは、「自分は意志の弱いダメな人間だ」と思い込ませます。その罠に落ち込まないことが大切です。失望せずにいれば、必ず恵みの時が来ます(ガラ6:9)。