オンラインとオフライン

人物を紹介するときに、「フォロワー〇〇万」という表示がなされることがあります。その人がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に載せる情報を追いかけている人の数です。ブロガー、インスタグラマー、ツイッター、フェイスブッカーなどにフォロワーがついていて、その数が何十万となると、影響力を持つ人だと認められインフルエンサーと呼ばれます(インフルエンザをまき散らす人だと思っていました)。  しかし、インターネットで深い人間関係を構築することは不可能です。文章や写真や動画でやり取りしようが会話しようが、そこには生身の体がありません。SNSでのやり取りをオンライン・コミュニケーションと言いますが、それは、編集された空間と時間での視覚と聴覚だけの世界です。味、臭いや香り、触れ合いはありません。ほとんど仮想現実です。人間は知性や感情や心だけの生き物ではありません。肉体をもって生きているのです。  これからの時代、大切になるのは、SNSから離れたオフラインのコミュニティの回復です。つまり、生身の人間が五感すべてそろった空間と時間で、直に親しく交わる世界です。インターネット上で世界中に何万のフォロワーや何千の友達がいようと、それは仮想現実の世界です。現実の世界に戻れば、真の友はいないというということになりかねません。 ところで、ひとりの人間が、互いに名前や顔や性格や素性や事情などを知って親しくなれる数は、せいぜい150人だそうです。それが10人でも、50人でもかまいませんが、大切なのは、オフラインの人間のつながりを深め、広げていくことです。  教会は、キリストを中心に、生身の体をもって集うオフラインの交わりの場です。オンラインの世界は、「独裁者」がプラグを引っこ抜けば、一瞬にして消えてしまいます。残るのはオフラインの世界だけです。 さて、主の日だけは、スマホもコンピュータもオフラインにして、五感と霊感で交わりませんか。