怒りと憎しみ

白人警官による黒人男性暴行死事件から、人種差別と警察への怒りと抗議がアメリカだけでなく、世界各地に広がりました。日本でもデモがありました。

誰に対する怒りと抗議なのか。直接的には白人警官、そして差別社会を作った人たち、それに加担する人たちです。しかし、善良な警官に向けても、怒りはぶつけられました。同じ有色人種のアジア系住民にも怒りはぶつけられ、店が破壊されました。さらには、ユダヤ人も標的になりました。「黒人のいのちは大切」( Black Lives Matter)のグループが、ロサンゼルスのシナゴーグ5か所、ユダヤ人の学校3つを襲撃し破壊しました。ユダヤ人は、何かにつけて怒りをぶつけられます。

 ところで、ある白人女性警官の動画が話題になりました。

彼女は夜勤を終え帰宅途中、制服姿のまま、マクドナルドのドライブスルーに立ち寄った。しかし長時間待たされ、結局、飲み物だけを受け取って、注文をキャンセルした。そして車内からライブ動画で、その時の気持ちを実況した。「自分が警官だから、わざと食べ物を持ってきてもらえないのか。食べ物に何か混入されるかも。神経質になって、マクドナルドの食べ物を受け取るのが怖くなった。・・・・これ以上、耐えられるかどうか分からない。警官になって15年、マクドナルドでこんな不安に襲われたのは初めて。皆さん、非人間的にならないで。警察官を見たら『ありがとう』と言ってあげて。もう長いこと誰からも感謝の言葉をかけられてない」と涙ぐんだ、と。

 アメリカで差別を受け続けた黒人の300年の苦しみと怒りは、たびたび噴火し、溶岩のように流れ出します。差別問題に限らず、怒りと憎しみのマグマは世界のあちこちで噴出し、新たな怒りと憎しみ、そして悲しみも生み出して広がっていきます。その怒りと憎しみの連鎖に参加する人たちも出てきます。

 キリストに従う者として、どうすればいいと、あなたは思いますか。