種から芽が出て

季節は移ろい、雨の季節に入ろうとしていますね。植物好きな方は、ここ数か月は楽しい時期だったのではないでしょうか。日に日に生長する植物、種から芽が出たり、挿し木した草木が根付いたりと、楽しい発見がたくさんあったことでしょう。我が家でも様々な植物を植えました。市民農園の一角を借り、きゅうりを植えました。赤紫蘇の種を蒔きました。オカヒジキの種も蒔きました。

 種はどこでもいつでも発芽するとは限りません。種が発芽するためには、適当な水分と温度、酸素が必要です。これを「発芽の三要素」と呼び、どれか1つ欠けても発芽には至りません。しかも、発芽しても栄養や水が足りないと枯れてしまいます。虫に食べられてしまうこともあります。我が家では初めて二株のヒョウタンを植えましたが、一つは子供が踏んで根元からぽっきりと折れて、もう生えてきませんでした。残念。もう一つも土に栄養が足りなかったせいか、生長が思わしくありません。かたや、枯れたと思っていた植物を掘り起こしてみると、根っこが生きていて、植え替えたら急に元気を回復しました。嬉しい!

 イエス様は種蒔きのたとえ話をなさいました。蒔かれた種には発芽しなかったものもあれば、発芽したけれど生長しなかったものもありました。しかし、発芽の条件も揃い、その後に育った地も良い地ならば、100倍、60倍、30倍の実を結びました。

 実りを見るのは、蒔いた者としては喜びです。蒔いた種を外敵から守り、肥料と水をやり、何とかして生長させて収穫したいのは、親心ともいえます。

 教会の帰りに自転車に乗っていると、川のほとりでのびのびと生長している樹木が目を引きます。その樹々はいつも渇くことなく、実に青々としています。  詩篇1篇を思い出します。主はいつも、私たちに豊かな実りを期待して栄養を用意し、水を用意し、外敵から守ろうとしてくださっているのです。私たちがただ主のそばに植わった木のように、主とつながっていれば、豊かに実を結ぶ者となります。その実をもって主を喜ばせ、また互いを喜ばせることができます。(きのつらユキ)