「自分を生かす」ことより、「人を生かす」ことに心を尽くしませんか。結局、そうすることで双方が祝福を受けます。人と平和を保つことができ、神にも人にも喜ばれます。「人を生かす」者が神に生かされるのです。キリストは、まさに私たちを生かすために、ご自分の身を捧げられました。そして、父なる神に生かされました。
もしあなたが『自分らしく生きる』ことを目標にしておられるなら、その看板を下ろしませんか。キリストに倣おうとお考えなら、そうすべきです。キリストご自身が、「自分らしく生きる」ことをされなかったからです。むしろ、「人々のしもべ」のように振る舞い、「ほふられる羊」のように歩み、あたかも「罪人」のように扱われることをよしとされました。
そして、「敗北者」のように十字架で死なれました。まったく「神の子」「全能の神」「王の王」らしくはありませんでした。でも、それで神の愛が最大限に表されたのです。その愛で、私たちは救われました。
「平凡でよし」としませんか。「平凡である」ことを喜ぶ幸福な人生があります。人と違っていなくてもいいのです。「人とは違う」ことに価値があるのではありません。そんなことに価値を置くのは空疎です。自分のことばかり考え、人と差を付けることばかりに一所懸命になるだけです。
キリストは「平凡な人」「無学な普通の人」（使徒4:13）を、あえてご自分の弟子に選ばれました。キリストの力と権威とは「平凡」さの中でこそ際立つからです。
人とは違うこと、優れていること、自分らしさを誇るよりも、人との共通性、共有、共存をもっと大切にしたいと思います。「あなたの個性を生かす」「あなたの独創性が光る」･･･といった文句に踊らされてはなりません。人を生かし、神に生かされれば、意図しなくてもあなたの個性と独創性は十分出てしまいます。仲間と同じ夢を掲げ、祈りを共にし、心を一緒にできるほうが、偉大なことを成し遂げられるのです。
今年も、謙虚に平凡であることを喜び、平凡な者を生かして用いてくださる神の恵みを楽しむことにしましょう。