叫ぶ石

週報に掲載されるコラム

「峠は越えるほかない」100228

 「競技場で走る人たちは、みな走っても、賞を受けるのはただひとりだ、ということを知っているでしょう。ですから、あなたがたも、賞を受けられるように走りなさい」(1コリ 9・24)。 近江商人のこんな話が残されています。  二人の呉服屋が、重い荷を降ろして峠で一休みをしました。  「この峠がもう少し低かったら、…

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「聞く」100221

人の話を聞いてあげることは大切です。 ある教会員の方がかしこまって、私に言われました。「私には、これだけは牧師よりも勝っていると言えることがあります(ずいぶん謙遜な言い方です)。それは、人が百回同じ話をしても、初めて聞くかのように聞いてあげられることです。」確かに、私はその方の足元にも及びません。知…

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「65年前の2月14日」100214

(先週、沖縄ひめゆりの塔を見学したときに書き留めたメモです。) 太平洋戦争の末期を迎えた1945年2月14日、元総理大臣近衛文麿は、昭和天皇に「敗戦は遺憾ながら最早必至なりと存じ候」で始まる上奏文を書き、早期和平の英断を求めました。しかし、天皇は「もう一度、戦果を挙げてからでないとなかなか話は難しいと思う…

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忘れる感謝100207

帰郷して、半分寝て過ごしている父と、初期のアルツハイマーの母と3日間を過ごし、いろんなことに気づかされました。  二人とも記憶が長く続きません。父は週に3日、デイサービスで出かけますが、朝ごとに、今日はその日かどうかを母に聞きます。しかし、母も定かではなく、予定表で確認しようとします。しかし、「今日は…

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「アルツハイマー初期の母と」100131

先週は帰省し、初期のアルツハイマーと診断されている82歳の母に同伴して、担当医師と面談しました。母は自分は正常であることを証明しようと、前日から、歴代首相の名前などの暗記し、診断テストに備えていました(準備しても無関係ですが)。  医師によれば、母は数分前の記憶が欠落するだけで、他はまったく正常とのこ…

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「隣同士の和解」100124

堀内都喜子著『フィンランド 豊かさのメソッド』(集英社新書)を読みました。その中に、「フィンランド人は隣国スウェーデン人に妙な敵対心をもっている」「それは長い間スウェーデンに占領されていたという歴史的なものから来ている」とありました。  フィンランドはアイスホッケーが国技です。宿敵はもちろんスウェー…

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