叫ぶ石

週報に掲載されるコラム

賞味期限

昔むかし、食料品に賞味・消費期限の表示はなかった。期限は、「自分で決めるもの」だった。自分で臭いをかぎ、少し口に入れて、異常なければ食べた。餅に青カビが生えても削って食べた(ペニシリンの原料だと言われた)。私は今も、だいたい自分の鼻と舌と経験で判断して食べる。賞味期限の切れたものを食べて、おなかを壊し…

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所有すれば所有される

インドを旅して、アーグラで高価な宝石を買った男性の話。しっかり見張っていないと盗まれるぞ、と忠告されたので、列車の個室に入り、向かい座席に宝石を置き、ずっと見張り続けることにした。数時間たつと疲れで眠くなったが、目を閉じないようにして頑張った。そうして睡魔と闘っていたが、まぶたが次第に重たくなり、…

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拒絶を恐れない

誰もそうだが、拒絶されることは、辛く悲しく苦しい体験である。一度も拒絶されたことがないという人はいないだろう。人は、生まれたときから誰かに拒絶される人生を歩む。まず、生みの親や血を分けた兄弟に拒絶されるかもしれない。保育園、学校に入ると、同級生や教師に拒絶されるかもしれない。身体能力や学力や見かけ…

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見た目の美しさ

日本人は、基本的にきれい好き、清潔好きの民族だと思う。  コンビニやスーパーマーケットの店内の明るさや清潔さは、外国に行ってみるとよくわかる。店の外装や床、商品のパッケージ、陳列と包装、どれをとっても美しい。美しくない店は敬遠されるか、低く見られる。  日本人が最も重視するのは、自宅のトイレだろう。…

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死から生の世界へ

地球のどこかで砂嵐が吹き荒れているとき、私たちは、穏やかな芳しい風が吹き、一斉に草木が芽生える季節を迎える。氷に閉ざされた南極が氷点下60度のブリザードが襲われているとき、私たちは打ち続く熱帯夜に苦しむことになろう。未知の特殊な生命体が深海や洞窟の中で、密かで微かな命をつないでいるとき、私たちは数え…

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地球は水の豊かな星だ。水は地表の70%以上を占め、人間の体も70〜80%は水でできている。水と生命は不分離である。水には生命を生かす性質と力が秘められている。 まず、水は溶解度が大きい、つまり物質を溶かしやすい。生物細胞や血液は大部分水であり、多くの養分や酸素(ヘモグロビン)、二酸化炭素、老廃物を含み、運…

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