イスラエルから学ぶ

日本の国土の大部分は緑地ですが、イスラエルは大部分が砂漠です。広さは日本の四国ほどで、870万人が暮らしています(四国370万)。しかし、食料自給率100%を達成し、農産物を輸出するまでになっています(日本は生産額で68%、カロリーで38%)。
なぜそこまで頑張ったのか。それはイスラエルの国家としての最大の目的が「国の存続、民族の生き残り」にあるからです。1700年にわたる反ユダヤ主義、迫害、虐殺、絶滅の企てに苦しみ、今もその脅威の只中にいます。食料を海外からの輸入に頼っていたら、いつ兵糧攻めにされるかわかりません。それで、砂漠でも栽培可能となる農業技術を研究開発したのです。砂漠で、魚の養殖も行っています。
もう一つ、生き残りのために解決しなければならない大きな問題がありました。水です。乾燥した国イスラエルは古来より、水が生命線となってきました。しかし、これもIT技術で、海水を淡水化することに成功し、飲料水には困らなくなっています。
現在、イスラエルは世界でも最もIT産業の進んだ国です。米山伸郎著『知立国家イスラエル』(文春新書)によれば、もはや、イスラエルのIT技術なしには、世界は成り立たなくなってきているそうです。日本にも、実は「イスラエル」があふれています。
民族存亡の危機感が、小国イスラエルのIT産業をここまで発展させたわけですが、考えてみると、国家としての最大の目的が「国の存続、民族の生き残り」というのは、悲痛ではあります。普通は「国の発展、文化の繁栄」でしょう。
 しかし、日本の教会もイスラエルと同じように、危機に瀕しています。教会とクリスチャンの減少、牧師・教会員の高齢化は深刻です。10年以内に、最も数の多い団塊の世代が活動から離脱し始めます。現在7800の教会の内1000以上が閉鎖しそうです。教会も成長発展ではなく、やはりイスラエルと同じく「存続、生き残り」が当面の目的になります。しかし、イスラエルと違うのは、危機感の無さです。
 キリストの栄光教会は設立して15年、「キリストの栄光」と神の国の拡大を目指し、その具体的な戦略、戦術を生み出してきました。が、もっと危機意識に動かされるべき時だと思います。危機意識が、イスラエル同様、今までにない霊的発想に導くと信じます。