安全な場所

詩篇9:9(共同10)「主は虐げられた人の砦 苦難の時の砦」。ダビデの賛歌。 ジャッキー・ロウは、ジョン・F・ケネディ元大統領専属の写真家だった人で、本人と家族を撮った4万を超えるネガを所有していました。そのうち出版したのはわずか400枚ほどです。ネガは全て、この世界で一番安全だと思われるJ.P.モーガン・チェイス銀行(NY)に保管していました。そして、博物館や図書館から依頼があれば、そのつど自分自身で現像していました。 しかし、現在、そのネガは一枚も残っていません。2001年9月11日の世界貿易センタービル爆破テロ事件で消えてしまいました。モーガン・チェイス銀行はそのビルの中にあったのです。絶対安全な場所というのは、この地上にはないことを物語っています。  詩篇で「砦」と訳されている「サガヴ」שגבsagavという言葉は、「高いこと」「近づくことのできない場所」を意味します。ダビデは主を自分の「砦」として讃えているのです。「主は苦難の時の砦」とは、ただ私たちを取り巻いて守ってくださるだけでなく、私たちを縛る苦難や恐れやストレスから抜け出させ、高く引き上げてくださる、ということを意味します。  飛行機に乗っていたときのことです。嵐の中を通り、乱気流で機体が大きく揺れました。しかし、機長から高度を上げるというアナウンスがあり、ほどなくして飛行機は嵐の上に出たようで、安定していきました。窓から下を見ると、まだ嵐は荒れ狂っており、稲妻が閃いていました。でも平安です。 これが「サガヴ」、ダビデが語っている「砦」(シェルター)です。主は嵐の中で恐れる私たちを守ってくださるというより、主が私たちを嵐の中から引き出し、もっと高い所へと導いて、ご自分とともにおらせ、嵐を見下ろせるようにしてくださるのです。(Chaim Bentorah,“HEBREW WORD STUDY”)