どうすれば読解力が身につくか

では、「基礎読解力」を養うにはどうすればいいのでしょうか。 新井紀子氏は、生活習慣、学習習慣、読書習慣などを網羅したアンケートを実施し、こんな結論を出しています。 まず読書習慣。小さい頃から読書が好きかどうか、月に何冊読むか、どんなジャンルを読むか・・・これらのことは、読解力とはほとんど関係がなかった。 次に学習習慣。どんな教科が得意か、1日何時間勉強するか、塾に通っているか、家庭教師をつけているか、といったこととも相関なし。 そして生活習慣。スポーツはするか、スマホは何時間使うか、新聞を購読しているか・・・といったことにも全くといっていほど関係がなかった。  特に、読書の好き嫌い、読書量とは何の関係もないというのは驚きです。  さらに、学校時代に、テストをドリルや暗記で乗り切った知識、レポートもコピペで済まして得た成績は、まったく無意味。「個々の進度に合ったドリルをAIが用意している」と宣伝する塾があるが、そんな能力が一番AIに代替されやすい、と新井氏は言います。 では、読解力を高める方法はないのか。新井氏が示唆しているのは「精読」です。氏自身は活字を読むのは好きだが、早くは読めず、大学時代から読むのは多くても年間5冊ぐらいだそうです。しかし、じっくり深く読むのです。他人が何年もかけて書いた本を理解するためには、書くのに要した時間の倍はかかって当然ではないか、というのが氏の持論です。多読、速読よりも、一冊の本を繰り返し丹念に読むことが大切なのです。 言うまでもなく、聖書こそがその「一冊の本」としてベストです。GCCでは、聖書を朗読し、丹念に読み、繰り返し読み込んでいくことを推奨し、実践しています。それは、霊的成長はもちろん、副産物として読解力も育てることになるということがわかります。(新井氏も改革派の教会で洗礼を受けている)。基礎読解力が十分に備わっていれば、どの分野でも独学で知識を得、能力を高めていくことができるのです。幼い時から時間をかけて聖書を学ぶことに確信をもっていいのです。