穀雨の季節ですね。穀雨とは、春雨が降って、麦などの穀物をしっとり潤す季節のことを指します。ちょうど今頃です(4月半ば過ぎ)。
春雨とは
降るとは見えじ春の雨
水に輪を書く波なくば
けぶるとばかり思わせて
降るとは見えじ春の雨
と古い文部省唱歌に歌われた雨だといいます。
霧のように見えてちゃんと川面に波紋ができている雨です。傘をさしても無意味です。それゆえ月形半平太は、「月さま、雨が・・」と雛菊が差し出す傘を振り切って、「春雨じゃ、濡れて参ろう」と、名せりふを残しました(*)。
ところで、春雨は京都特有の雨だとか。残念ながら、東京には春雨は降りません。
主が注がれる恵みも春雨のようです。降るとは見えずとも、心をしっとりうるおします。そのまま濡れていきましょう。
*月形半平太は、幕末の土佐藩士、武市半平太(瑞山)のこと。大正時代の「新国劇」でのせりふ。