今年4月から、自動車の損害賠償責任保険(自賠責保険)が大幅値下げになりました。普通車で2年契約30,830円だったのが22、470円に、軽自動車も6020円安くなったのです。なぜか。交通事故件数、死傷者数が減少し、保険料の支払額が減ったからです。つまり、国民がルールを守り安全運転をすれば、経済的負担が減るのことを示しています。
それは自動車保険に限りません。正確な数字は知りませんが、国家が、国民の犯罪のために支出しているお金は莫大であるという研究報告を読んだことがあります。一つの刑事事件には、捜査から逮捕、裁判、保障まで、多額の費用がかかるだろうことは、容易に想像できます。つまり、犯罪を減らせば、無用な出費も減るのです。
また、社会不道徳や規則違反、マナー違反のためにも巨額の税金が使われています。ゴミの不法投棄、落書き、公共物の破損や窃盗、などの違反や不正にからむ、補修、回復のための費用は、驚くべき額に上るでしょう。エネルギーや食物の浪費はお金の垂れ流しですし、不健康な放蕩生活は結局、医療費高騰として跳ね返ってきます。また、見栄えを気にする日本人は、多くの見栄えの悪い農海産物を無駄にしています。経済的損得で道徳を論じるのは本位ではありませんが、ルール遵守の正しい生活こそが経済的なのです。
現代の世界が直面しているのも、本当は経済危機ではなく、倫理的危機、人間の心の危機です。まず解決すべきは経済問題なのではなく、人間の心に巣食う罪の問題です。今の世界的金融危機の原因となった米国サブプライムローン問題も、結局は人間の「貪欲」という罪に端を発していると、私は思います。お金の崇拝、すなわち、偶像礼拝です。それこそが世界中の経済問題の根源です。ちょっと言いすぎですか。いいえ、聖書は「不品行な者や、汚れた者や、むさぼる者・・これが偶像礼拝者です」(エペソ5・5)「金銭を愛することが、あらゆる悪の根だからです」(Iテモテ6・10)と教えます。
貪欲というお金の崇拝をやめれば、経済問題はあらかた解決するのです。経済的な生活とは、神の前に正しい生き方をすることです。