地球は水の豊かな星だ。水は地表の70%以上を占め、人間の体も70〜80%は水でできている。水と生命は不分離である。水には生命を生かす性質と力が秘められている。

まず、水は溶解度が大きい、つまり物質を溶かしやすい。生物細胞や血液は大部分水であり、多くの養分や酸素(ヘモグロビン)、二酸化炭素、老廃物を含み、運ぶことができる。水中の生物が呼吸ができるのも、酸素を溶かしやすいからである。また、水は汚れをきれいに洗い流してくれる。以上のことは、油だとそうはいかない。

水は比熱が大きい、つまり温まりにくくて冷めにくい。気化熱が大きいので、水分があせで蒸発するときに熱を奪い、熱くなりすぎた体を冷やす。体温を一定に保ちやすいのも、地球が温暖なのも、この性質のおかげである。体液がアルコールなら、直射日光に当たっていれば、体温は急上昇し、膨張し、揮発し、熱中症なって死ぬ。水がないなら、火星のように、太陽光が当たらない夜は零下数十度、当たる昼は百度を越える。

また、水は固体時ではなく、4℃の液体時の比重が一番大きい。つまり、液体、固体、気体の順で重い(他の物質は固体、液体、気体の順)。氷は水に浮く。そのおかげで零下になっても湖は凍りにくい。凍っても水底からではなく水面から凍るので、生物は守られる。

また水には表面張力がある。水は細胞に張りをもたせ、肌に弾力を与える。90%が水の赤ちゃんはぷくぷくしているが、年をとると水分が減り、肌が弛んでくる。

水はいのちの源である。脱水症状になれば死ぬ。汚染されれば病気になる。水が死んで腐れば、人も死ぬ。しかし、生きた水が必要なのは、体よりも心だ。あなたの心は潤っているか。淀んで腐ってはいないか。キリストは「生ける水」を与える方である。

「わたしを信じる者は、聖書に書いてあるとおり、その腹から生ける水が川となって流れ出るであろう」(ヨハネ7・38)。「わたしは、渇く者には、いのちの水の泉から、価なしに飲ませる」(黙示録21・6)。日々、「生ける水」「いのちの水」なる聖霊で満たされよう。