地震に備える④

2004年12月26日のスマトラ島沖地震を覚えておられますか。あの時もM9.1という巨大地震で、津波のために14万人を越える死者・行方不明者が出ました。

しかし、スリランカ最大の鳥獣保護区であるヤラ国立公園は、津波で沿岸から3キロ内の公園が洪水状態になったのに、ゾウはおろか野ウサギにいたるまで野生動物の死骸はまったく発見されなかったのです。保護区の担当官は、「動物には天災を感知する能力があり、第六感で異変が起きる時を知るのだろう」と述べています(ロイター)。

残念ながら人間にはそのような危機察知能力はありません。スマトラの場合、警報や避難勧告が十分になかったことが死者を増やしましたが、それはつまり、人間は警告なしには自分の命を守れないことを物語っているわけです。では、警告があれば助かるかというと、そういうわけでもありません。警告されても気付かない人たち、そして気付いても従わない人たちがいるからです。

被災者の中には、「ノアの洪水」を想起したという人もいました。ノアの時は、箱舟に乗ったノアの家族8人と一緒に乗った動物以外は、死に絶えてしまいました。実は、洪水の前に警告があったのですが(Iペテ3・20)、箱舟を造って助かる準備をしたのはノアの家族だけだったのです。主イエスは「ノアが箱舟にはいるその日まで、人々は、飲んだり、食べたり、めとったり、とついだりしていました。そして、洪水が来てすべての物をさらってしまうまで、彼らはわからなかったのです」(マタ24・38~)と語っておられます。

私たちの人生においても、神は警告を出されます。しかし、それを察知する人と察知しない人がいます。そして察知しても、従う人と従わない人がいます。察知して従うための基本は、礼拝と御言葉の学びと祈りです。それが霊的アンテナです。いざという日に後悔することがないように、日々怠りなく霊的訓練を課しましょう。