今日は、クリスマスについておさらいをします。
クリスマスは救い主の御聖誕を祝う日です。よくX’masと書きますが、X’はギリシャ語のキリスト(クリストス)を略した頭文字です。エックスマスとは読みません。Xはギリシャ語の文字で、キー(Chi,)と発音します。mas(mass)とはミサのことです。フランス語ではクリスマスをノエルと呼んでいます。ラテン語のナタリス(誕生日)から来た言葉です。ゴール語のnoio(新しい)とhel(太陽)の合成語ともいわれます。
初代教会には、クリスマスの祝祭はありませんでした。キリストの生誕日が12月25日と定まったのは354年のことです。ローマ教皇リベリウスが、その日に祝われていた異教の冬至祭(太陽神ミトラスの誕生を祝う)に換えて、御降誕日としたのです。
クリスマスは異教の祭りだとして祝わない教会もあります。でも、私たちはべつに異教の祭りを祝っているわけでも、キリスト誕生の「日」や「季節」を祝っているわけでもありません。間違えてはなりません。私たちが祝うのはキリストの「御聖誕」であって、誕生の「日」ではないのです。神の子キリストは、「神のあり方を捨てられないとは考えず、ご自分を無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられました」(ピリピ2・6)。そのように神が人となって誕生された歴史的な瞬間が、およそ2000年前のいずれかの日にありました。その日を特定することはできませんが、人類の救い主が来られたことは事実です。神が人となるとは、これ以上ない奇跡です。その奇跡を喜び、感謝し、お祝いするのです。12月25日に定めたのは、教会が冬至祭を聖化したのだと考えればいいと思います。
クリスマスはまた、キリストによって救われたことに感謝し、来年は主のためにいかに生きるべきかと考える季節です。今日、受洗される6人の方々には、「古い自分」が死に、「新しい人」が誕生する日です。私たちも、自分の新生を思い起こし、祝う日としましょう。