今ヒット中の映画『レミゼラブル』(「ああ、無情」)をご覧になった方々から、とても感動したという話を聞いています。中には3回映画館に足を運んだ方もおられます。その方が、以下のような感想を書いてくださいました。
パン1個の盗みで19年間囚人となっていたジャン・バルジャンは、仮釈放中に教会の司祭の慈悲に触れて回心し、やがて人望を集めて工場主となる。しかし警部ジャベールが、犯罪人は死ぬまで犯罪人だとバルジャンを処刑すべく執拗に追跡する。バルジャンは病死した女工員から幼い娘コゼットを託され、追跡から身を隠しつつ、命をかけて彼女を守ろうとする。そんな中、革命軍に捕えられて処刑されそうになったジャベールを逆に救ってやる。そんなことが二度もあって、ジャベールは「法か善か」と自問し、ついにバルジャンを捕える意味を失って、セーヌ川に身を投げてしまう。
神からの使命としてコゼットに無償の愛を注ぐバルジャンの姿に、使命を与えられるとはこれほどまでに生きる喜びと希望を与えるものかと深い感動を覚えた。神の愛は律法を超える。バルジャンを造り変えたのは、司祭からもらった二つの燭台に象徴される世の光、キリストの愛である。キリストの愛に満たされて、バルジャンのように命をかけて人を愛し抜くことができたら素晴らしい。いま、現実に神の愛の中に生かされている私は、なんて幸いな祝福された人生を神様から与えられたのかと感謝せずにはいられなかった。
別の方は、「ジャベールが少年の死体を見つけ、その上に自分の勲章を置き、涙する場面にぐっときた」そうです。革命軍に属するその少年とはジャベールの正体を見破り、ジャベールを処刑の危機に追い込んだ張本人でした。そして、その危機をバルジャンに救われたのです。無情なジャベールの心に変化がきざした場面です。
そのほか、聖書の言葉や教えを想起させる場面がちりばめてあるそうです。時間が許す方は映画館に足を運ばれてみたらいかがでしょう。