「グローバルに考え、ローカルに行動しよう(Think globally, act locally)」ということばがあります。地球規模の広い視野で問題を見渡し、身の回りから地味に実践していこうということです。
クリスチャンの立場で言えば、神の国の規模で考え、小さな事にも忠実であれ、ということになるでしょう。それは「主の祈り」に端的に表現されています。
「御国が来ますように。みこころが天で行われるように地でも行われますように。私たちの日ごとの糧をきょうもお与えください。・・・」
今は自分の生活のこと、個人的なことで頭がいっぱいになっていて、目の前のことしか考えられない、問題が片付いて、神の国の規模で考えられるようになったら考えたい、という方もおられるかもしれません。でも、実は逆なのです。そういうときこそむしろ神の国に目を向けるべきなのです。日常生活の問題も神の国の中で解決するからです。
天の御国にあるものは、神の全能の力と愛と義と平和と豊かさです。天の御国には、憎しみや争いや病気や欠乏はありません。その御国が、キリストとともに天から地上に降りて来たのです。あとは自分の所に御国が来るように祈るのです。
主は実に、個人的な祈りを聞き届けられ、それに応えることで、その本人の願いを越えて「神の国」の計画を推進なさいます。年とったザカリヤとエリサベツには子がいませんでしたが、彼ら夫婦の祈りと願いを突然聞かれます(ルカ1・13)。そうして生まれたのが、キリストの道備えをするバプテスマのヨハネでした。旧約では、ハンナの個人的な祈りに応えられて、サムエルが生まれました。彼はイスラエルを治めた後、ダビデに油を注いで王とした祭司であり預言者です。エリサベツもハンナも、子供を授かったとき、個人の思いを越えて、神の国の歴史を過去から未来へと展開するような祈りをささげています。
あなたの個人的な信仰生活は神の国とつながっています。御国規模の祈りをささげましょう。