中島みゆきの38年前のヒット曲「時代」が、東北の被災地でよく歌われていると知り、ネットで聞いてみました。
「今はこんなに悲しくて 涙も涸れ果てて もう二度と笑顔にはなれそうもないけど そんな時代もあったねと いつか話せる日が来るわ あんな時代もあったねと きっと笑って話せるわ だから今日はくよくよしないで 今日の風に吹かれましょう まわる まわるよ 時代はまわる 喜び悲しみ 繰り返し 今日は別れた恋人たちも 生まれ変わって巡り会うよ ・・・たとえ今日は果てしもなく 冷たい雨が降っていても・・・今日は倒れた旅人たちも 生まれ変わって歩き出すよ」
被災者の思いに寄り添う歌ですね。「きっと笑って話せるわ」という詞には、何の根拠も保証もないのですが、メロディに乗って流れるとそう思えてきます。「今日の風に吹かれましょう」というのも、「自然」に抗わずに、「時の流れ」に身を委ねていこうとする日本人の心情にはしっくり来るのかもしれません。「生まれ変わって巡り会うよ」という詞も、輪廻転生思想だなどと目くじら立てず、「新しく生まれて巡り会うよ(歩き出すよ)」という意味でとれば違和感はなくなります。何よりも、多くの人の心がこの歌に共鳴しているという事実を受け止めなければならないと思います。
教会の宣教メッセージや聖書のお奨めのことばも、もっと日本人の心情に合うような表現で語るべきだろうなと反省させられます。教会で歌う歌も、がちがちのストレートな表現を使った賛美だけではなく、主に対する細やかな心情をほのかに歌い上げる歌もあっていいのではないでしょうか。そのほうが心を乗せやすいと思います
真理を学ぶのは聖書のみですが、その伝え方や表現方法は世の人からも大いに学ばないと、教会はガラパゴス化してしまいそうです。