「欲がはらむと罪を生み、罪が熟すると死を生みます。愛する兄弟たち。だまされないようにしなさい。」
「世の中に欲あるかぎり、我々の食いはぐれることあるはずもなし」(詐欺師)。
憎たらしい詐欺師ですが、言い得ています。所有欲、名誉欲、快楽の欲、支配欲の強い人、何かに心理的に酔う傾向が強い人ほど、騙されやすくなります。楽してお金が欲しい、楽して上手になりたい、楽して痩せたい、楽してきれいになりたい、有名になりたい・・・という思いがあるなら、詐欺師たちは「天使の顔」をしてつけ込んで来ます。うまい話には、一旦立ち止まって考え直すべきです。「今、自分は何に動かされているのだろか。欲がはらもうとしているのではないだろうか」と。詐欺師はあの手この手で人を騙す力をサタンから受けているので、冷静になっても見破れないと心得ましょう。少しでも不安を感じたら、とにかく直ぐに行動せず、時間を置いて冷静になり、人に相談することです。「自分だけは大丈夫」と思う人が一番騙されやすいそうです。
騙されたことがあるなら、自分の心に騙される原因がなかったか、省察しましょう。心のどこかに隙があったのです。自分の弱さを心得、同じことを繰り返さないように心に刻みましょう。詐欺師を呪う必要はありません。人の欲望をうまく利用する詐欺師自身も、結局は欲望に動かされているわけであり、欲をはらんで罪を生み、罪が熟して死を生むことになってしまいます。主がいかようにも、きちんとさばきをなさいます。
しかし、ここでヤコブが警告しているのは、もっと深刻な罪への誘惑です。制御が利かなくなった欲望は、「死」をもたらすというのです。万引き、キセル、窃盗、横領、中傷、裏切り、未婚者の不品行、不倫は、人生破壊、家庭破壊、殺人へとつながっていきます。やはり、自分だけは大丈夫と考えてはなりません。小さな欲から小さな罪が生まれ、制御が利かなくなります。今、治めましょう。