私に従いなさい

主イエスはピリポに「わたしに従って来なさい」(ヨハネ1:43)と言われ、ペテロにも「わたしに従いなさい」(21:19)と命じられました。この言葉はキリストだから言える言葉であって、キリスト以外の者が言ったなら、独裁者か独善者か狂人ということになるでしょう。しかし、主イエスは神の子であり、「道であり、真理であり、いのちなのです」(ヨハネ14:6)。

私は高校時代、担任教師から、「この人の前にはひれ伏すしかないという人物をみつけ、その人を研究しなさい」と教えられました。それで、高校時代は孔子や荘子、小林秀雄や亀井勝一郎などを読み、大学時代は哲学関係の本、特にデンマークの実存主義哲学者キルケゴールに凝りました。キルケゴールについては、デンマーク語を学び、本国から大枚はたいて全集を取り寄せるほどでした。もっとも、ほとんど読めずに終わり、神田の古本屋にも引き取ってもらえず、大損しましたが。

キリストに出会い、本気で「この方に従おう」と決意するまで、ずいぶん回り道をしました。聖書以外の本を読み漁ったことが無駄だったとは思いませんが、絶対に読まなければならない本ではありませんでした。なぜなら、彼らのうちだれも、「私に従ってきなさい」と言ってはいないからです。それゆえ、「わたしに従って来なさい」と言われたキリストに、もっと早くから従い、徹底して聖書を学んでおけばよかったと思います。

今日、二人の方が受洗されます。お二人はもちろんのこと、私たちもキリストに従う決心を新たにしたいと思います。死に打ち勝ち復活された方が、「わたしに従って来なさい」と言われます。あなたの人生で、正面からあなたを見据え、そんなことを命じられる方は、キリスト以外にはおられません。従わなければ、いつか後悔することになります。10年後に後悔するのではなく、今日、後悔して、今日から本気で従い、祈り、聖書を学びませんか。