神の国の文化の創造

「子供は大人の話を聞くのがとても苦手である。しかし、大人の真似をするのはとても上手である」。米作家ジェームス・ボールドウィンの言葉です。いい意味で引用されることはまずありません。大人が垂れる説教や正論は無視し、大人が実際に行っている悪いことを真似するということです。わが子が悪いことをしたとき、親は「そんなことを教えた覚えはない」と言います。しかし、子どもからすれば「そんなことして見せただろ」と言いたいということです。親にも子にも、罪の性質が備わっているからです。

「人間には罪の性質がある」。この厳然たる事実を前提にすべてのことを見ていかなければなりません。この世の政治経済や文化や教育は、罪人であり罪の性質を宿す大人が造り上げたのです。私たちはそこに子どもたちを送り出しています。そして子どもたち自身もやはりアダムの子ですから、心にも体にも罪の性質を宿しています。家庭や教会で聖書の言葉で教えていても、外に出れば悪しきものに反応してしまいます。罪の性質は、外から来るさまざまな誘惑や刺激に勝手に応答して、悪や堕落へと引っ張ろうとするのです。

しかし、キリストの体である教会には神の国が来ています。その神の国の祝福、平和と力と聖霊による喜びを、私たちの信仰によって現実のものにしていかなければなりません。それは罪の支配の中にあるこの世との戦いです。私たちは神の支配の中にあって、その戦いを継続しつつ、神の国の文化と風土を創り上げていくのです。キリストは言われました「あなたがたは、世にあっては患難があります。しかし、勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです」(ヨハネ16:33)。主の勝利を一つ一つ勝ち取っていきましょう。

神の国の世界観、価値観、倫理観を聖書の学びによって身につけ、それを実践し、教会の教育文化を築いていくことを願っています。文化の中で大人も子どもも育ちます。もう一度『キリスト実現(教会の祈りと願い)』を読んでください。また夜10時の祈りを習慣化しましょう。