本当に備えるべき老後

退院の日の朝、多忙な看護師たちに挨拶し、優子教師に出迎えられて、車で教会兼自宅に帰りました。その午後は、久米川からのオリーブの会の姉妹たちを迎えました。妻はまだ入院中なので、姉妹たちが夕食の準備をしてくれ、ブリ大根で食卓をにぎやかに囲みました。

 ふと、独居老人たちのことを思いました。入院していたのはほとんどが老人でしたが、もし独居老人なら迎える人はなく、ひとりタクシーで家に帰ることになります。待つ人のいない玄関のドアを開け、冷え切ったがらんとした部屋に座り込みます。テレビをつけ、簡単な食事を作ってひとりで食べます。想像するだけでわびしくなります。

今回、私たち夫婦は多くの方々に気遣っていただきました。神の家族がいることは何と幸いなことかとつくづく思いました。感謝に堪えません。

 ところで報道によると、2022年、東京23区の「異状死」の約7割が65歳以上の老人。一人暮らしでの「異状死」は2021年が7544人、2022年は8762人。おそらく今年は1万人を超えるでしょう。一人暮らしの「異状死」は死後日にちがたって発見されるケースが多く、10日以上が2371人、30日以上は965人だったそうです。

 自分は関係ないと思わないでください。若い人もやがては老人になります。今回、今までの経験も踏まえて、二つのことを考えています。

一つは、クリスチャンの老人のシェアハウスや、グループホームやクリスチャン介護士の必要性です。東京の高齢者は312万(4人に一人)、長野県は人口203万中66万人です。老人施設の需要は増えてきます。しかし、クリスチャンにとっては、一緒に賛美し祈り礼拝できる施設でなければなりません。私はいずれ、東信地区(長野県東部)の教会が協力してそれを建設することを提案しようと思っています。

もう一つは、施設に入るクリスチャンの品性を整えることです。何もしなければ、年をとればとるほど、生来の悪い性格が固まっていきます。若いうちに、キリスト信仰で考え判断し振る舞う訓練を意識的に行うことです。自己中心性や頑固さは砕かれなければなりません。集団生活に入れば、寛容、柔和、親切、自制が不可欠です。一番の基本は、明るく挨拶ができることです。遅くならないうちに。今が訓練の時です。(佐久GCC川端)