Ⅰ列王記12章で、ソロモン王の跡を継いだ若き王レハブアムの元には、民から「税金(苦役)が厳しすぎます。軽くしてください」との苦情が届きました。この苦情を受け、王は2つのグループから助言を求めました。1つ目のグループである長老たちは「あなたが彼らに仕えるなら(原語eved)、彼らもあなたのしもべ(原語eved)になるでしょう」との助言を与えました。「人に仕えてほしいなら、まずあなたが人に仕えなさい」ということです。素晴らしい言葉です。これは格言、もしくは箴言と呼ばれるものであって、代々、語り告げられる、真理を含むものです。
一方、もう片方のグループは、「わたしの小指は父の腰よりも太い」と言うべきだとレハブアムに助言を与えました。「父ソロモンは自分の腰を動かして民を従わせていたが、自分は小指一本で民を従わせることができる。自分の権力は父よりも大きい」の意だと思われます。
このような言葉を、流行語やスローガンと呼びます。流行語やスローガンの特徴は、面白くてキャッチーで、覚えやすいことです。小指が腰よりも太いというパラドックスが魅力で、インパクトがあります。しかし流行語は嘘を含んでいることも多く、箴言のように時代を超えることはできません。
結果的に、レハブアムは後者のスローガンの方を選んでしまいました。そしてそのことが統一王国の分裂、そしてイスラエルの滅亡へとつながってしまいました。 人は変わらないものです。今でも、「フリー・パレスチナ」などのスローガンが連呼され、耳に残るという理由で広まり、多くの人がそれを信じてしまっています。でも真理を含んでいるのは箴言の方です。キャッチーでなくても、私たちは箴言に精通し、箴言に耳を傾けたいものです。