女もすなる日傘というものを

紀貫之の『土佐日記』は、「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり(男がしているという日記というものを、女の私もしてみようと思ってしよう)」から始まります。私も、「女もすなる日傘といふものを、男もしてみむとてするなり」ということで、この夏から思い切って日傘をさすことにしました。もちろん還暦のおっさんが日傘を差すのはかなり抵抗があり、歩行者の少ない家と教会の15分の徒歩だけに限っています。しかし、そんなにじろじろ見る人もいませんし、すれ違っても顔を隠せますし、次第に慣れつつあります。都内での百貨店などでは男性用日傘が売られているそうですが、利用者はほとんどみかけません。炎天下、日傘を差さずに闊歩する女性たちに混じって日傘を差すのは、まだ勇気がいります。

なぜ敢えて日傘を差すことにしたのか。ただ一つ、目を守るためです。今年初め、眼科で緑内障が進み始めていると診断され、薬の治療はまだ必要ないが、唯一の予防対策は「直射光に目をさらさないこと」だったのです。もはや人目を気にする時ではないと考え、決心しました。ということで、

「♪主はあなたを守る方 右の手を覆う影

日も月もあなたを打つことはない 主はあなたを守る方

すべての災いから 今よりとこしえに 守ってくださる♪」

と歌いながら歩いています。

「大切なもの」「正しいこと」を守るために、人目を恐れたり体裁を気にしたりしてはなりません。世の大勢がどのようであろうと、私たちは聖書の価値観、倫理観に立って「はいは、はい。いいえは、いいえ」と言い続けましょう。主は、主の教えを守ろうとする人を守ってくださいます。

*ところで、紀貫之は、「男もすなる」と書いていますが、男です。