今、世界のあちこちで、不満と憎悪と怒りがふつふつと煮えたぎっています。
今世紀は2001年米同時多発テロ事件というイスラムの激しい怒りの爆発で始まり、今日も過激派のテロ事件はアメリカ、ヨーロッパ、ロシア、中東から東南アジア、中国、アフリカに頻発しています。イスラム諸国には、欧米に侵略され(領土も文化も)、植民地化され、搾取された恨みがあるのです。
一方、テロが多発するヨーロッパ諸国でも反イスラム、排外主義的傾向が強まり、連動して反ユヤダ主義も広がって、独、仏、伊などでも極右政党が勢力を伸ばしてきています。
アメリカ国民の間にも相当不満と憤りが高まり、トランプ氏を大統領に選んでしまいました。トランプ氏の政策は、①アメリカ第一主義、自国中心、排外主義(反イスラム、反ヒスパニック移民)、国粋主義、②グローバリズムの否定、国際協調や自由貿易(TPP)の拒絶、③日本や韓国との同盟の否定(日韓が米軍の駐留費用全額負担の要求)、NATO非協力で、孤立主義の道を歩み出そうとしています(選挙中にこの公約で票を集めました)。
やや落ち着いていますが、韓国、中国でも反日感情が高まりを見せました。今は、韓国国内で、パク・クネ大統領に対する怒りが爆発しています。支持率は前代未聞の3%に下がり、連日大規模の退陣要求デモが続きました。経済不況、格差増大、就職難などの社会不安や不満が鬱積した結果でもあるでしょう。
日本の社会も、貧困化、経済格差増大、高齢化問題、大災害、対外圧力などによって、不安、不満、憤りは溜まりつつあります。エネルギーを蓄えているのは、火山だけではないのです。
もし、世界の多くの国民が、世界全体の安定・平和・共存・協調の心を忘れ、自国・自民族中心主義に陥り、不満と怒りに動かされるようになれば、恐ろしいことが勃発します。
このような時代、私たちクリスチャンは、キリストの光にとどまり、社会不安の空気に包まれず、怒りの感情に流されず、平和を創ることが期待されています。