3年打ち込む

甲子園初出場の高知県立室戸高校が、常連校を破って快進撃しています。その二塁手の松本歩君は164センチ、56キロ。高校野球児としてはかなり小柄です。中学時代から野球をしてきましたが、「お前には無理。通用しない」と何度も言われたそうです。実際、中学では補欠の補欠で、出場機会は稀でした。しかし今、室戸高校でレギュラーとして甲子園出場を果たし、2塁打を放ってチームを救うなど、活躍しています。

出身は、私立の強豪校がひしめく神奈川県。そんな私立校に入っても、練習さえさせてもらえないことは必定です。県立高校野球部は、多くが最初からあきらめてだらだら練習しています。松本君の願いは、3年間しっかり野球をやり通すこと。レギュラーになることより、野球ができるのが一番でした。中途半端にやる気はまったくなかったのです。

 進学時、身内の縁で室戸高校の練習を見る機会があり、「公立なのに本気で私立に勝ち、甲子園を狙っている」と感じ、同校に決めました。体格では劣っていることを自覚していたので、自分のやるべきことも分かっていました。「3番、4番を打てる体ではない。2番として後ろにつなぐ役割を果たせばいい」と、気持ちでは負けないようにしてきたのです。

甲子園出場が決まると、神奈川の元野球仲間から、「なんで歩が甲子園なんだよ」と何度も言われたそうです。一つのことに打ち込んでいれば、2、3年で、人は変わるのです。

 神は小さく弱く足りない者を用いられるというのが、聖書の原則です。しかし、大切なのは卑屈にならないこと。卑屈な人は、主も使いづらいようです。では、能力を与えられている者はどうすればいいか。謙遜になることです。高慢な人を主は用いられないことは、はっきりしています。

能力があるかどうかではなく、主に用いられ、実を残すかどうかが、その人の存在価値をきめます。たゆまず、愛するキリストに打ち込んでいきましょう。