ある韓国人の期待

37歳の一橋大学講師で、東京在住の韓国人クォン・ヨンソク氏が、久しぶりにソウルに戻ってそこで見たのは、排ガス規制はないに等しい車社会、「メンツ」と「自己防衛」のために「ごつい車を転がしている」「太陽が見えない灰色の未来都市」でした。「青春時代に心のよりどころとしていた丘の上の教会は、高層マンションの影に隠れて」いました。しかし、成田に帰りつくと、「太陽が目に飛び込んできた」、車は大小色とりどりで、それぞれのペースで走っている姿にほっとした、というのです。そして、東京をこう礼賛します。

・首都高速道路に面したマンションに洗濯物と布団が干してある。空気の汚れたソウルではありえない。

・東京は緑があり、人に優しい大都会。静かで、時間が穏やかに流れている。東京に戻り、自分を取り戻せた。

・日本食は胃に優しい。

・店員は律儀に「おつりの30円です」と言いながら、小銭がこぼれないように丁寧に渡す。礼儀正しく小さなことを大事にする。

・「東京国立の桜並木の下で、この国に生きる喜びとありがたさを感じた」。

 クォン氏は最後に、日本人に激励と期待の言葉を綴ります・・・日本は勢いを失ったと嘆くな。猛追するアジア諸国に過度に脅威を持つな。あせるな。日本は落ちぶれていない。「元気なアジア」というが、アジア諸国は「元気」陰で病んでいる。アジアの先駆者として、目標として、「新しい価値の創造」を目指せ。(ニューズウィーク日本語版70418)。

この若い韓国人の目に、日本・東京はそんな風に映っているのか、と驚きました。
さて、私たちは人を見、自分を見つめて、焦ったり、劣等感を持ったり、ときには自分が「イナゴのように見える」ことがあります。でも大切なのは、神がどのように自分をごらんになられ、自分をどのように愛し、何を期待しておられるかを知ることです。