佐賀北高校優勝

今年の夏の甲子園で優勝したのは、予想外の県立佐賀北高校でした。10年ぶりに地方の公立高校が優勝したことは、うだる暑さの日本列島に、一つの爽快感をもたらしたようです。私には縁のない県ですが、ど田舎の何の変哲もない公立高校出身者としては、応援したくなるような高校でした。というのは・・・
 
1.誰も、地元さえも、優勝を期待していなかった
 何しろ、過去2年は県予選1回戦敗退で、3年生は勝利の味を一度も知らなかったのです。

2.野球特別待遇制度がなく、後ろめたさがなかった
 出場49校のうち25校がこの制度に違反している中で、佐賀北は全員地元中学出身。地元中学の名選手は、他県の野球名門校へ進学するそうです。

3.不利な条件を逆利用した
 年間予算60万円。用具、整備不十分。グランドはサッカーと共用。それで、内野グランドだけで徹底守備練習や、持久力を養成する走り込み。それが本番でのエラーを激減させ、好プレーを連発させました。

4.プロを目指し、注目されるような傑出した選手がいなかった
 高校で初めて硬球を握った生徒ばかり。野心がなく、「あわよくば・・」という色気も出ていませんでした。祝勝会が終わって選手が気になるのは、翌日の模擬試験だったとか。

5.謙虚で無欲で地味だった
 要するに、こういう学校に優勝して欲しいと思わせる普通の高校だったのです。

 名もない、普通の人を選んで、指導者や預言者や弟子にして大きく用いられる聖書の神様のなさり方に似ています。次の言葉ように。「この世の取るに足りない者や見下されている者を、神は選ばれました。すなわち、有るものをない者のようにするため、無に等しいものを選ばれたのです。これは、神の御前でだれをも誇らせないためです」(Iコリント1・28、29)。