昨年、米大リーグでチャンピオンになったレッドソックスが、球団独自のユニークな選手評価法を採用していた、とテレビで知った。Rソックスは、あの松坂大輔や岡島秀樹が移籍して活躍したチームである。
たとえば、投手の評価というと、常識的には防御率である。1試合平均何点取られるか、という評価の仕方である。しかし、味方のエラーや運不運に影響されることも多く、投手の実力を表わし切っているとはいえない。その次にくる評価は勝ち星の数や勝率であるが、これはさらに運不運に左右される。
そこでレッドソックスはこれらに加えて、一般には知られていない評価の仕方を採用した。【奪三振数÷与四球数】である。実は、この評価でレッドソックスは岡島の獲得に動いたのだ。この数値は高いほど良く、大リーグの投手の平均値は2・0程度だが、岡島の過去10年の平均は3・0に近く、契約前年度には4・20まで上昇していたそうだ。この評価法は見事に当たった。低額移籍金の岡島が中継ぎ投手として、超高額移籍金の松坂に勝る貢献をし、防御率も低くなり、オールスターにまで選ばれた。
選手のいろんな評価法を編み出し、良い点を見つけて、それに適したことだけに起用してやれば、それに応えて本人も力を発揮し、彼の全体的評価もアップする。岡島はRソックスに生かされて、日本では得られなかった輝きを得た。
創造主はすべての人に良きものを与えられている。主には、世の中とは評価とは異なる評価基準がある。主は、世にあっては弱い者、愚かな者、貧しい者とされる人たちの隠れた良きものを用いて、世の強い者、知恵ある者、富める者よりも、はるかに輝かしい栄光を現してくださる。それが、旧新約聖書全体を貫く人材起用法である(Iコリ1・27、28)。