野球のワールドカップにあたるWBCで日本が2連覇できたのは、9試合の防御率が1.71という投手力にあったらしい。1試合平均2点も取られていないということである(おおよそで韓国2.5、キューバ4、米国5、ベネズエラ3)。
現野球解説者で広島カープの名投手であった川口氏が、日本の投手のコントロールがいいのは、一つには球場が狭いからだと説明していた。ちょっとしたコントロールミスが致命的になる。特に、ボールが高めに浮くとホームランを打たれやすいので、投手は低め低めにコントロールするようになったのだという。
不利な環境条件におかれると、人は考え、工夫する。「日本の球場は狭い」「野球というスポーツであって、ベースボールではない」と言われてきたが、アメリカ大リーグにも負けないところまで成長できたのは、その狭い球場のおかげだったということになる。
でも、投手らは世界で活躍するために、コントロールを良くする努力をしたのではないだろう。ただただ自分たちが置かれた不利な条件を、克服する努力を積み重ねてきた結果であろう。そして、知らぬ間にか世界を凌駕する投手力にまで成長したのだ。
「それだけではなく、患難さえも喜んでいます。それは、患難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。この希望は失望に終わることがありません」(ローマ5・3〜5)。
患難は不利な条件や劣悪な環境、忍耐は創意工夫と努力、品性は優れたコントールや自制力。希望は勝利に置き換えられる。
今おかれている悪条件を愚痴らず、弁解せず、ただ信仰をもって克服しようと忍耐を続けていれば、いつの間にか品性が育っており、それが希望となり勝利となる。