「和解の年」100110

昨年12月24日、エルサレムから、イスラエル大統領シモン・ペレツ氏が世界に向けて、クリスマスの祝福の挨拶を発信しています。「永遠の都エルサレムからハッピー、メリークリスマス」と呼びかけ、来たる年が平和と友愛と寛容と繁栄の年となることを祈り、それが天の声であり、我らの主の願いであり、また我らの目的であるべきだと述べています(You Yubeでもその動画を見ることができます。”Christmas Blessing by President Shimon Peres”)。

 イスラエルの代表者であり、もちろんユダヤ人であるペレツ氏が、公式に、「メリークリスマス」と世界に呼びかけたことに驚きました。ユダヤ人は千数百年にわたり、キリスト教会とキリスト教徒とその国家に迫害され、20世紀にはホロコーストなど大量殺戮まで体験して、キリスト教には固く心を閉ざしています。昨今では、イェシュア(イエス)をメシアと信じるメシアニック・ジューと呼ばれる人たちが登場してきましたが、まだまだ少数派です。なにしろ、自分の子がクリスチャンと結婚しようものなら、親は子を死んだ者とみなして葬儀を出すといわれるほどです。そんなユダヤ人にとって、イエス・キリストの降誕を祝う言葉など口にしたくないはずです。それが、大統領の口から飛び出しました。胸が熱くなる思いです。反ユダヤ主義が根強い社会にあって、この「クリスマスの祝福」の呼びかけに、クリスチャンは正しく応答すべきであると思います。

 ところで、今年は日韓併合百周年です。1910年8月、日本は韓国を植民地化し、多くの人命と文化と土地と財産と奪い、民族の尊厳を傷つけました。1945年の解放までの36年は「日帝支配」の屈従の時代として韓国民の心に刻まれています。しかし、日韓の和解の呼びかけと行動を起こしたのは、戦後リバイバルを経験した韓国の教会の人々でした。それが主の願いだからです。韓国クリスチャンの寛容と忍耐に私たちも応答すべきです。

今年が和解の年となるように祈り、行動しましょう。和解がなければ瓦解します。世界も国家も家庭も個人も。