花粉症の解決は?

私も今年から、日本人の三人に一人というスギ花粉症の仲間入りをし、5月は例年、別の花粉症を患っています。今日は「無花粉スギ」を話題にします。

1992年、富山県の神社で偶然、無花粉スギが1本発見されたことから、県林業試験場で「はるよこい」が開発され、2005年には、森林総合研究所林木育種センター(日立市)で、新品種の無花粉スギ「爽春」が開発されて、その増殖が進められているそうです。

発見されたのは偶然とはいえ、ある研究者の執念の「賜物」です。彼は「無花粉スギを全国に」という志を立てましたが、当初、その道の権威に無理だと宣告され、「ぼろかす」に言われたそうです。しかし、あきらめなかったのです。

話は、発見では終わりません。日本の山々に植えられたスギは、「真っ直ぐに伸びる」「早く生長する」「病気に強い」という三拍子そろった「精英樹」です。無花粉スギもそんな優良スギでなければなりません。でも、無花粉スギと「精英樹」とかけ合わせると、「無花粉」という形質は消えてしまうのです。そこで無花粉遺伝子を隠れ持つ「精英樹」を探し求めました。日本全国の試験場に「スギ花粉」の提供をお願いすると、「門外不出」なのに、志に応答してたくさん集まりました。その中から無花粉遺伝子を隠れ持つ「精英樹」を4種見つけたのです。こうして、二分の一の確率で無花粉スギを生み出すことに成功しました。

これは50年後、百年後まだ見ぬ子孫のためのプロジェクトです。私たちは恩恵にはあずかれません。でも、後世に祝福を残すのは、常に今を生きる者の役割です。後世にツケを残す「ヒゼキヤ症」には、絶対かかってはなりません。

しかし、最後にどんでん返しをしてすみませんが、花粉症とは人間の体にある免疫機能の過剰反応なので、スギ花粉が消えても、体はまた別の異物(抗原)を見つけてアレルギー反応を起こすことになるでしょう。結局、体質を変えるのが根本解決です。環境を変えても、御霊によって新しく生まれなければ、何も変わらないと同じです。