地震に備えよう①「箱舟を用意せよ」
先月下旬、東京大学地震研究所が発表した「東京近辺でマグニチュード7級の直下型地震が発生する確率は、4年以内で70%」という試算をあなたはどう受け止めておられますか(それまで政府は30年以内に70%としてきた)。京都大学防災研究所・地震予知研究センターも、「首都圏の直下には『地震の巣』があり、4層のプレートが重なり、不安定になっている。最大でM8 弱(震度は7)、少なくとも阪神・淡路大震災のM7・3は想定しなければならない」という見解を出しています。政府の中央防災会議の被害想定は、M7・3規模で、「死者は11,000人、建物全壊・焼失が85万棟、避難者700万、帰宅困難者650万」です。
これは、東京に大地震が確実に来る、今から準備せよ、という警告にほかなりません。4年以内に来なければ、その後はもっと確率が高まるということです。
にもかかわらず、「東日本大震災があった直後だからしばらくは来ないだろう」「来ても、自分は死なないだろう」と、根拠もなく楽観視する人が少なくないのだそうです(そういう人が一番危ないとも)。ある研究者は、行政も個人も、防災意識はあっても、実際には何も準備していないケースが多く、被害が大きくなると憂慮しています。
私は、東日本大震災で難を逃れた三陸地区の教会の牧師が、「大地震の可能性があるなら、来ることを前提にして準備すべきだ。準備が無駄になっていい。来なくてよかった、と喜べるほうがいい」と語った言葉を胸に刻んでいます。しかも、地震は確実に来るのです。発生の可能性を論じるより、地震の大きさと時期に備えなければなりません。
ノアの時代、主は大洪水を予告され、ノアに言われました。「あなたは自分のために、ゴフェルの木の箱舟を造りなさい」(創世記6・14)。私たちも、「箱舟」を用意すべき時にいます。
(次週は、教会として個人として、どう備えるべきかを考えます)。