地震に備える⑨ エゼキエル預言

「ゴグがイスラエルの地を攻めるその日、──神である主の御告げ──わたしは怒りを燃え上がらせる。わたしは、ねたみと激しい怒りの火を吹きつけて言う。その日には必ずイスラエルの地に大きな地震が起こる。海の魚も、空の鳥も、野の獣も、地面をはうすべてのものも、地上のすべての人間も、わたしの前で震え上がり、山々はくつがえり、がけは落ち、すべての城壁は地に倒れる」(エゼキエル38・18~20)。

2012年10月、この預言に基づき、イスラエルで史上初めての地震を想定した全国的訓練「ターンニングポイント6」が行われました。実際に学校を模した建物を崩壊させ、10m強の津波を再現するなど、かなり本格的な訓練となりました。

エゼキエルはおよそ2600年前の預言者です。イスラエルは日本のように何度も大地震が起こるという国ではなく、ミサイルやロケットの攻撃への備えはしても、地震が襲うという実感は薄いかもしれません。それでも、その預言者のことばを信じ、地震に備え全国的な訓練を行ったのですから、さすが聖書の国だと思わされます。

ただ、エゼキエルの時代の古代ユダヤ人は、イザヤ、エレミヤといった預言者たちの警告にも耳を傾けず、主に対する背信行為を続け、国を滅ぼすことになりました。その苦い体験によって、ユダヤ人は大きく変わりました。何百年もの間続けてきた偶像礼拝を断ち切り、主の教えに立ち返ったのです。

冒頭のエゼキエルの預言は、まだ成就されてはいません。しかし、終わりの日が近づけば必ず起こります。イスラエル当局は、その日が近いと感じてこの訓練を行ったのです。実際、イスラエルはいつ外国に攻め込まれても不思議ではない状況にあります。攻め込まれた上に、さらに巨大地震に襲われるというのです。危機意識と緊張感は、日本人とは違うなと思わされます。

2600年前、バビロンによって国を滅ぼされたユダヤ人は偶像を断ち切りました。「ゴグ」と大地震に襲われる日は、ユダヤ人がイエスをメシヤと知り、本来の使命を回復する日となります。