目に見えない世界

20世紀以前の物理学は、私たちの五感で捉えられる世界を相手にするのが主流でした。目に見える世界の物体の動きや変化、触って感じられる重さや熱、目で見る光、耳で聞く音が研究の対象でした。しかし、20世紀に入ると、目に見えない世界の研究が盛んになっていきました。

科学者たちは全力を尽くして、目に見えない世界を探究します。それは放射能や電磁波や、原子より小さい素粒子の世界で、最も高性能な電子顕微鏡でも見ることはできません。数字や数式でしか表現できない世界ですが、その目に見えない力は、確かに目に見える世界に影響を及ぼしています。実際、その力を利用して、現代社会は動いているといって差し支えないでしょう。さらに、科学者は目に見えない極小の世界を研究することで、絶対に体験できない宇宙の始まりさえも見極めようとしています。

 21世紀は、目に見えない世界が力を発揮する時代です。私たちも今年、科学者に負けないほどの真剣さで、目に見えない世界を追究しましょう。世界は目に見えない神のことばと力によって動いています。「信仰によって、私たちは、この世界が神のことばで造られたことを悟り、したがって、見えるものが目に見えるものからできたのではないことを悟るのです」(ヘブル11・3)。

 目に見えない電子が目に見える世界を動かしているように、目に見えない聖霊様が現実の世界に働かれ、救い、和解、癒しのわざをなさっています。私たちは電子の世界を知らずとも、目に見える世界でその恩恵にあずかっています。しかし、私たちも科学者と同じように、目に見えない世界、聖霊様の世界を体験できるし、体験すべきなのです。つまり、聖霊を結果としてだけでなく、原因としても体験するのです。そのとき、まだ現実には起こっていない神のわざを、先取りして確信することができるようになります。

「信仰は望んでいる事がらを保証し、目に見えないものを確信させるものです」(ヘブル11・1)。聖霊を求め祈り、この約束の真実さを知りましょう。