WBC たかが野球ですが

3月8日金曜日の夕方、私はある雑誌編集長との会合で、東京ドームホテルにいました。ホテルのロビーは、台湾の旗を掲げた中国人客など多数の外国人客が行きかっていました。その日は、おりしもWBCの日本対チャイニーズ・タイペイのゲームが組まれていたのです。

その夜、両チームは5時間の激闘を繰り広げ、日付が変わるころかろうじて日本が勝利を収めました。まれに見る名勝負でした。台湾の監督は試合そのものに「感動した」と語り、選手たちも日本を称賛するコメントを残すなど、その謙虚な姿勢には逆に感動させられました。「日本は世界から尊敬されるべきチームであることを再度証明した」と、日本の勝利を称える台湾の記者もいました。一方、日本のファンの中にも、試合中に台湾選手に声援を送り、台湾の東北支援に感謝するプラカードを掲げる人もいました。そして翌朝、東京ドームホテルのロビーには、多くの日本人ファンが台湾チームの選手の見送りに集まり、感動と感謝を伝えたそうです。両国の間に一つの絆ができました。

しかし、感動は両国の間だけではありませんでした。中国本土のネット上でも、この試合に心が揺さぶられた人たちが、「やっぱり日本は強いな」「台湾は惜しかった。台湾は素晴らしいよ。お疲れ様」と書き込んだとのことです。

さらに翌日、日本がオランダに大勝すると、今度は韓国のメディアが反日感情を引っ込め、日本を称賛するかのような報道をしました。また、台湾選手も「一番印象的だったのは韓国戦だった」と韓国チームを称えたそうです。

日中韓台4国は、過去の経緯からそれぞれに関係がギクシャクしてきました。しかし、たった一つの白球を見つめて、互いに歩み寄れるのですから不思議です。ならば4国のクリスチャンが唯一の神、唯一の救い主、そして聖霊を見上げて一つになるなら、驚くべきことが極東に起こるだろうと信じます。北朝鮮も含めて。