水族館の癒し

沖縄の「美ら海(チュラウミ)水族館」に行きました。楽しみにして行ったのではありません。夏休みで人が多く、疲れることは覚悟でした。しかし、大海のガラスの水槽を泳ぐサカナたちは、私たち壮年夫婦を存分に楽しませてくれました。

まず、その形と色の奇抜さと生態の多種多様さに驚かされます。「いったい誰がこんな発想やデザインをしたのか。人にはできない、とてもできない」と感嘆のため息が漏れます。

サカナのジョナサンのように、速く泳ぐことをひたすら追求する大小の回遊魚。「ちょっと休んだら」と声かけたくなります(実は止まったら酸素吸入ができないらしい)。「だれかオレを止めてくれえ」と叫ぶようにローリングする細長いサカナ。二枚というより二本のヒレを海底に固定し、置物状態になった四角いサカナ。じっと見ていると大きな口を開けて「退屈だよな」とゆっくりアクビ。「そうだろうな。こんな所に入れられて、やってられないよね」。日本を背負って泳いでいるかのようなヒノマルウオ(両側面に赤っぽい大きな円をつけている)。哲学的思索をしながら適当に浮いている地味なおさかな。「めんそーれ。待ってたよ」と愛くるしい目でやたら愛嬌をふりまくサカナ。カメラ目線で格好決めるヤツ(ちょっと自己顕示欲強すぎるんじゃないの。私、カメラ持ってないもんね)。ひとりイジケているうつぼの仲間。「ほっておいてやるよ」。見つめる私を見つめ返すサカナ。負けずに見つめていると、「フン」と反転して行ってしまった。歩く私たちについてくるカワイイおさかなもいる。「ごめんね。つれて帰れないんだ」。

もう飽きることはありませんでした。サカナたちに癒された気分で帰りました。

「狼は子羊とともに宿り、ひょうは子やぎとともに伏し、子牛、若獅子、肥えた家畜が共にいて、小さい子どもがこれを追っていく・・・」(イザヤ11・6~9)。自然の生き物と直に戯れる日が来ることを楽しみにしたいと思います。