人類の危機は地球温暖化だけではありません。先日、「BS世界のドキュメンタリー『海の怪物 プラスチック』」で、こんな報告がなされていました。
木や紙や植物性の布なら1、2年で腐って分解され、自然に帰ります。缶でも、何年かすれば、錆びついて、自然に戻ります。しかし、プラスチックは何百年たとうと決して腐ることも分解されることもなく、自然に溶け込む日は来ません。世界の大洋にはプラスチックゴミベルトが形成されており、世界中の海岸や外洋の島々には(ハワイやイースター島などにも)プラスチックが大量に漂着しています。プラスチックは波や太陽光線にさらされて砕け、目に見えないほどの粒子状になってもプラスチックのままで、大洋の海面を覆うように漂っています。それがプランクトンに吸収され、それを魚が食べ、さらに私たちが食べることになり、体に蓄積されます。そして人体に甚大な影響を及ぼします。
しかし、この重大な問題の責任を誰もとろうとはしません。このままでは近い将来人類の首を絞めることになります。学者たちは、事態の深刻さに警鐘を鳴らし、それでも「まだ間に合うと信じるしかない」と訴えていました。まずは捨てない。買い物には紙袋や布袋を使え、ということです。
ところで、エルサレムがバビロンによって陥落する直前の時代、預言者たちはいのちをかけて主の裁きを警告し、悔い改めを説き続けました。ハバククはこう告げました。「驚き、驚け。わたしは一つの事をあなたがたの時代にする。それが告げられても、あなたがたは信じまい」(1・5)。しかし、人々は耳を傾けず、むしろ偽預言者たちの楽観的な予言を信じました。そして滅亡です。人は破滅に直面するまで、なかなか悟れないものなのです。
悔い改めがなければ、私たちの時代にも、「信じられないようなこと」が起こります。しかし、悔い改めるに遅すぎるということはありません。「何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために、心の一新によって自分を変えなさい」(ロマ 12:2)。