叫ぶ石

週報に掲載されるコラム

人の住む家、住まない家

紅葉の丹波に帰省し、実家の整理をしました。先祖が百数十年住んだ家ですが、来春から「古民家」として貸し出すことになりました。まあ、よく持ち堪えてきたものです。人が住み続け、保全してきたからですね。 私の実家は上林地区という山間部にありますが、まだその入り口に所在し、さらに10キロ、20キロ先入れば中上林、…

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無神論の無力

19世紀の英国に無神論者で名を馳せたチャールズ・ブラッドロー(1833-91)という政治家がいました。貧しい家庭で育ちましたが、教会では若いうちから子どもたちに聖書を教えていました。ところが、福音書の矛盾に気づき、そのことで校長と衝突して、教会を離れてしまいました。以後、政治の世界に入り、無神論の立場で教…

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祈りましょう⑥

知らぬ間に心の中の声が録音されていたら、いやでしょうね。怖くて、恥ずかしくて、とても聞けないことでしょう。 では、自分の祈りを録音して聞いてみるというのはいかがですか。録音を意識しなければ、けっこう心の中を表現していると思います。 私は、自分の思いではなく、聖霊に導かれ、自分の意識を越えて祈りのこと…

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イエスの生涯

「イエスは貧しい庶民のひとりとして、へんぴな村ベツレヘムに生まれた。育ったのは別の村ナザレで、私生児と蔑視されながらも、30歳まで大工として働いた。次の3年半は巡回説教者だった。1冊の本も書かなかった。何の公職にもつかなかった。結婚もせず、家さえ持たなかった。大学にも行かなかった。ローマに行ったこと…

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教会の基礎体力

先週の主日は、都内の伝統ある教会に行きました。以前に馴染みがあった教会です。着任したばかりの牧師とも昔接触があり、懐かしい思いで出席しました。ところが、牧師は海外宣教中で、メッセージは執事の担当でした。一瞬がっかりしましたが、それでも「兄姉たちと主を礼拝するために来たのだ。主の声にへりくだって耳を…

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死ねなかった老人

木谷恭介の『死にたい老人』という本があります。 「もう充分に生きた。あとは静かに死にたい。83歳の著者は老いて欲望が失せ、生きる楽しみが消えた時、絶食して緩やかに安楽死する決意をした。40日も食べなければ死ねると安易に始めたが、持病の鬱血性心不全の薬は飲み続けながらの絶食だったため、胃潰瘍になり、さらに…

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