叫ぶ石

週報に掲載されるコラム

自然を届けよう

「『おはようさん』『おはようさん』。すれちがうたびに、みんな声をかけあってゆく。若い人もいる。年よりもいる。子どももいる。親子連れもいれば、中年夫婦もいる。みんなふだん着の、いま起きぬけてきたという気軽なかっこうで。朝5~6時の裏山は行楽地のように賑わっている」。 これは、1963年の『暮らしの手帳』にあ…

続きを読む自然を届けよう

地震への備え⑦「よくはないが、仕方がない」

先週、大飯原発がついに再稼動しました。若狭湾には他に高浜、美浜、敦賀と計4つの原発があり、私の郷里は大飯原発から直線で30km、若狭原発からは20kmほどです。峠で隔てられてはいますが、丹波丹後の山は低く、事故が起これば居住できなくなります。昨年秋帰省した際、美浜原発を見学しました。福島の惨状にもめげず、…

続きを読む地震への備え⑦「よくはないが、仕方がない」

「和解のパン」

1945年5月8日、第二次世界大戦でドイツが無条件降伏をして40年経った記念の日、ドイツ大統領であったヴァイツゼッカーが演説の中でこんな話をしています。 「私はアウシュヴィッツやイスラエルで活動してきた<償いのしるし運動>のことを忘れることができません。ライン下流のクレーヴェ(Kleve)の町のある教会の人々は、…

続きを読む「和解のパン」

地震への備え⑥「率先避難者」

1960年、チリ大地震の津波が太平洋沿岸を襲い、142名の死者・不明者を出しました。身近で地震が起こったわけではないのに、突如として津波に襲われるという衝撃は、しばらく語り継がれ、私も小学校の授業で聞いた記憶があります。 2010年2月、またしてもチリ大地震があり、日本の気象庁は189の市町村168万人に避難指示と勧…

続きを読む地震への備え⑥「率先避難者」

中世の騎士の武具

ヨーロッパ中世の騎士は、金属製のかぶととうろこ状になった皮製の帷子(かたびら)で体を守り、楯、投槍、長剣、弓矢で戦っていました。それが11世紀になると、防御が著しく発達し、金属製のかぶとには顔面を守る頬あてがつき、胴は鉄製のコート状の鎖帷子をつけて、投槍も矢も通らないものになってしまいました。しかし、…

続きを読む中世の騎士の武具

平家と源氏

NHKの大河ドラマ『平清盛』の視聴率が低迷し、苦戦しているようです。しかし、源平の争いは、現代社会の行く末にとても示唆的だと思うのです。 平清盛は、古代から続く天皇家、摂関家の貴族の権威が、人々の共同幻想の上に乗っかっているだけで、実質的には何の基盤もないことに気がつきました。貴族は伝統的、文化的優…

続きを読む平家と源氏