地球人の常識は宇宙の常識なのか

宇宙の外はどうなっているか。宇宙には外がなく、ただ宇宙は光よりも速いスピードで膨張している、というのが、現代の宇宙物理学の考え方です。いわゆるビッグバン理論です。およそ138億年前、無の状態から爆発が起こって、一気に膨張宇宙が始まったとする説です。
世の人はビッグバン理論が事実のように信じ込んでいますが、実は、いまだ仮説にすぎません。そもそも光速以上のスピードで膨張しているという宇宙とその始まりを、人間が観察することはできません。ただ地球周辺からの観察で得られる情報だけで、数学的に結論付けたまでです。つまり、ビッグバン理論は、果てしなく広大な宇宙全体からみれば、実は非常に狭い「ローカルな理論」といえます。
物理学者たちは、果てしない宇宙からみれば、地球やせいぜい太陽系という限られた狭い空間で成り立っている物理法則が、宇宙全体でも同じように働いていると、勝手に決め込んでいます。地球で観測される法則は、全宇宙を覆う不変の法則だとするのです。
かつて(今も?)日本人は、日本人の目で世界を見渡し、日本の常識は世界に通じると思い込んでいました。ところが、全くそうではない世界の現実にぶつかり、「日本の常識は世界の非常識」と一時期、自虐的になりました。ビッグバン理論も同じだと思います。地球人の多くが、「地球の科学の常識は宇宙全体の常識」だと本気で信じ込んでいるのです。現代地球人は自分の非常識(無知)に気がついて、もっとかつての日本人のように自虐的、いやあのヨブのように謙遜になってしかるべきかと思います(ヨブ記38~42章)。
ところで、宇宙の始まりの時から、全宇宙の運動を司る「普遍的で不変の法則」があると想定するなら、それは結局のところ、「初めに、神が天と地を創造した」(創世記1章1節)という聖書の宣言を認めることにほかなりません。全宇宙の創造した全能なる唯一永遠の神が存在するからこそ、宇宙の隅々まで一つの法則で動いているといえるからです。
「私の常識は全宇宙の常識である」といえるのは創造主なる神だけです。