「金の子牛」除去作戦

イスラエル(北)王国、アハブの子ヨラム王の時代、その将軍の一人であったエフーは、預言者エリシャから送られた預言者に油注がれて、北王国の王とされます。北王国では、油注がれた唯一の王です。彼が受けた役割は、バアル礼拝を王国に広げたアハブの一族を滅ぼし、アハブの妻イゼベルが流した主のしもべの血に対して復讐することでした。

 エフーは直ちにヨラム王に対して謀叛を起こして王を殺害し、次いでユダ(南)王国の王でアハブ家の血を引くアハズヤ、そしてイゼベルを殺します。さらにアハブの70人の子供たち、アハブ家に属する者とその近親者のすべて、アハズヤの身内42人など、およそアハブの血筋とその関係者を根絶やしにしました。

 それだけではありません。策略を用いてバアルの祭司と信者をバアルの宮に集め、皆殺しにし、バアルの石の柱と宮を壊してそこを公衆便所としたのです。こうしてエフーは、忌まわしいバアル礼拝と、悪行を重ねたアハブ一族を王国から一掃しました。

 ところが、北王国の南北端の町ベテルとダンに置かれた「金の子牛」像だけはそのままにしてしまいます。なぜ徹底して異教を排除したエフーが、「金の子牛」だけは残したのか。それは、「金の子牛」が政治的手段として役に立つものだったからです。バアルは外国から来た偶像神ですが、「金の子牛」はイスラエルの主を拝むための偶像です。北王国の最初の王ヤロブアムが、民を南王国のエルサレム神殿に行かせないように設置したものなのです。この「金の子牛」を残したことが、エフー家の禍根になりました(II列王記9?10章)。

あなたは、心の中から罪を一掃されましたか。家の中や人間関係に「金の子牛」を残してはいませんか。「生活に役に立つ」「これくらいは」というのは曲者です。今、あなたに属するすべてのものを見回し、「金の子牛」が隠されていないか探ってみてください。それを徹底して排除すれば、主とあなたの関係はすっきりして、聖霊の働きが自由になるでしょう。