断食⑤

Mike Bickle『神ご自身の御心を求めて』⑤(意訳、抄訳、要約です)

4.断食は、正しい決断力を生む

断食によって神様の壮大な心の領域を感じ取れるようになれば、私たちの判断基準がこの世の価値観に揺り動かされることはなくなります。不適正な昇格ならば拒絶し、逆に降格にあっても消沈しない力を与えられます。イエス様は、群衆によって王に祭り上げそうになりましたが、彼らの心を見抜いてそれを拒絶し、独り山に退かれました(ヨハネ6・15)。死人をよみがえらせられたときも眠っておられるときも、イエス様の心の姿勢は、同じでした。父なる神との内なる絆だけで十分満たされておられたからです。神の御心ではない昇格は神とのつながりを弱め、そらせてしまいます。

12世紀のフランスに、ベルナルドゥス・クレルヴォーというカトリック僧がいました。低いところから始めて、仏独伊三国の王がベルナルドゥスの祝福なしでは重要な行動はとらないというほどの人物になりました。彼は王たちに手紙を書いて叱責したり、軍事行動を変更させたり、他の国々と講和させたりしました。この三国の王とローマ教皇も、この小さき僧の心に従ったのです。あるとき、彼らがベルナルドゥスを教皇に押し上げようとしたことがありました。しかし、ベルナルドゥスは「小さな庵で神様と間近に暮らしているのに、私が教皇になるべきだろうか」と断ってしまいます。

ベルナルドゥスは私にとって霊感の源です。彼の人生の最大の書は『雅歌』だからです。ベルナルドゥスは長年『雅歌』を教え、「花婿断食」(①を参照)を実践しました。彼は花婿キリストの麗しさを知るために、言葉を使わず、断食というライフスタイルをとったのです。

断食は私たちの心を重要ではないことから遠ざけ、本当に重要なことに基づいて判断し、選択させる力を生み出します。