ミャンマーのチン族

先週GCCに来た韓国トーチトリニティ神学校宣教チームの一人ディビッド君は、ミャンマーの山岳部族チン族の出身でした。ミャンマー(人口約5000万)は8つの部族からなる仏教国ですが、チン族(人口300万)だけは98%がクリスチャンです。どうしてそうなったのか。以下はディビッド君の証言です。

チン族は、100年前までは精霊信仰の部族でした。人々は崇りに遭わないように精霊たち拝んでいました。人々の心を支配していたのは恐れでした。1904年、そんなチン族の居住地域に、アメリカからハーバード・コープ宣教師夫妻がやってきました。彼らはチン族への福音宣教のために断食と祈りを続け、文字をもたなかったチン族のためにアルファベットの表記と辞書を作り、学校を建て、聖書をチン族の言葉に翻訳しました。

やがてキリストを信じる人が出てきましたが、精霊の祟りを恐れる人たちに徹底的に迫害されました。ディビッド君の母親(結婚前)もその一人でした。父親にキリストを捨てることを強要されて、「こんな平安を一度味わった後で捨てることはできない。お父さんも味わってみて」と言ったがために、家を追い出されました。彼女は森の中で祈り、自分で賛美歌を作り、毎日が奇跡の連続で、命をつなぐことができました。そして、同じように家を追い出されたクリスチャン男性と結婚、ディビッド君が生まれました。

迫害が広がるとともに、クリスチャンも増加しました。ディビッド君の父親を銃で狙った男が後に悔い改めて牧師になるなど、数々の奇跡的な出来事が続きました。父親は20の教会を建て、多くの牧師や神学校の教師を育てました。その父に育てられたディビッド君の確信、それは「迫害は教会を消し去ることはできない。逆に教会に力を与える」です。

今日、チン族はミャンマー全体に対する宣教部族となりました。彼らはそのために主に選ばれた部族だと自覚しています。教会は他部族によってたびたび襲撃されていますが、迫害とともに福音はミャンマーに広がっていくことでしょう。ディビッド君も卒業後はミャンマーへの宣教師として帰国します。