世の中の空気に支配されない

ここ2か月余り、外出が禁止、自粛となっていた中国で、離婚が増えたという報道がありました。離婚まではいかずとも、家に閉じこもり、心に負担がたまって、兄弟喧嘩、夫婦喧嘩、親子喧嘩が頻発し、しこりを残したことでしょう。

私たちも、毎日、新型コロナウイルスの話を聞かされます。密室、濃厚接触を避けなければなりません。不安を煽(アオ)る情報も飛び込みます。知らず知らずのうちに、ストレスをため、苛立ちやすくもなります。ふだんとは異なる心理状態になっていることを自覚しておくべきでしょう。

そうでなくても、卒業、入学、就職など生活が変化する時期であり、そして花粉症の季節でもあります。スポーツファンは、大きな試合や高校野球の中止、プロ野球やMLBは延期、などで春の欲求不満になっているかもしれません。

こんなときは、大きな決断は避けるべきです。闇の深夜に、疲れ切った頭で、何か重要なことを決めてはならないのと同じです。朝、目が覚めれば普通じゃなかったことに気付くように、コロナ騒動が終われば後悔します。

 サタンはいつの世も、空気で支配します。今が特にそうです。社会を覆う重く暗い空気に動かされてはいないか、毎日、自分を省みましょう。

 出エジプトしたイスラエルの最初の世代は、主の偉大なわざをたびたび体験したのに、いつも不安と恐れに走らされて、荒野で滅んでいきました。危機に際し、主を見上げることを忘れるのです。

 今の事態に過剰反応しないし、危機を過小評価もしない。悲観主義にも楽観主義にも陥らない(イタリア人の個人主義・楽観主義がウイルス拡大の一因になったとも)。一つの情報だけで動かない。社会と一緒にパニックにならない。常に事実を見極めようとする(トイレットペーパーは不足しない。もしウォッシュレットがあるなら、たとえトイレットペーパーがなくても、なんとかなる)。

大事なのは、日頃から主を見上げる習慣を身に着け、平安な心で判断し行動することです。普段から備蓄していれば、買占め・買い溜めに走り回る必要はないのです。「五人の賢い乙女」(マタイ25章)になりましょう。