ついにイスラエル直行便就航

私が初めてイスラエルを訪れたのは、1980年代半ばです。航空会社はおそらくルフトハンザだったと思います。成田を発ち、アラスカのアンカレッジ、そしてドイツのフランクフルトを経由しました。アンカレッジの荒凉たる光景と、乗り換え待ち時間に千円払って食べたかけうどんの不味さを思い出します。片道1日かかりました。

それ以後は、インチョン(韓国)、香港、イスタンブール(トルコ)などを経由するルートが中心になりましたが、それでもゆうに18時間はかかります。

 ところで、イスラエルを最初に訪れた日本人は、キリシタンのペトロ岐部(キベ)だそうです。彼はキリシタン禁制でマカオに追放され、そこから海路、陸路で4年もかかって、エルサレムに辿り着きました。1619年のことです。

初めてイスラエル巡礼記を書いたのは、明治のキリスト者・徳冨蘆花(トクトミロカ、健次郎)です。その『順礼紀行』によると、1906年4月9日北九州の門司を出港し、上海、香港、インド洋を回って、5月13日紅海に入り、17日シナイ山を眺め、18日エジプトのカイロ、そして24日イスラエルの港ヨッパから汽車でエルサレムに到着しています。ちなみに健次郎は、イスラエルからはロシアに入り、7月5日トルストイに会って、シベリア経由で8月4日、福井県敦賀に戻りました。4か月の旅です。

さて3月、ついにテルアビブ―成田直行便が就航しました。エルアル・イスラエル航空週2便、飛行時間は12時間です。ヘブライ語で「エル」は「~ヘ」、「アル」は「~の上に」を意味し、エルアルはホセア書では「いと高き方」(11:7)と訳されています。

ユダヤ人は、2000年にわたり、いわれなき迫害、差別、追放、財産没収、破壊、虐殺を受けてきました。しかしユダヤ人は、前世紀から、「いと高き方」に乗って、続々と安住の地・祖国イスラエルに帰還するようになりました。今もそれは続いています。

その「いと高き方」に、私たち日本人も乗れる日が来ました。アブラハム、ダビデ、そしてイエス・キリストが歩まれた地を、自分の足で歩き、自分の目でご覧になることをお勧めします。